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超新製品情報

ないしょの秘密



ハンブルクに巨大レイアウト出現の話(アイル・ビー・バックまだまだアゲイン編)2012/2 

メッセ前に1日暇を作ってまたまた「ミニチュア・ワンダーランド」に2年ぶりに行ってきました。やっと昨年に飛行場が出来たとのことで。マイナス20度のハンブルクの港町街をとぼとぼと歩いてやってきました。
              
毎回同じ場所で同じような写真を撮っていますが全く進歩が無い

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ハンブルクに巨大レイアウト出現の話(アイル・ビー・バックしつこくアゲイン編)2010/2 

メッセ前に1日暇を作ってまたまた「ミニチュア・ワンダーランド」に4年ぶりに行ってきました。というのはまだ「スイス」を見ていなかったのと、飛行場がどうなったかが知りたかったからです。ハンブルク空港の隣接ホテルからSバーンとUバーンを乗り継いで、大寒波で凍てついた歩道を滑りながら辿り着きました。
              

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2011年メッセでの話題の話2011/2                                            


ROCOのメッセでのプレスリリースが一番の話題を呼んでいました。見てくれは何の変哲もないBR103電機なのですが、出荷時にはAC特有のシューを着けていて当然のことながらAC線路とメルクリンなどのコントローラーで走行するが、簡単にシューは取り外し可能でDCのアナログも走行可能!!AC DC方式と称するものです。。しかし驚くのはこれからでスマートフォンでアプリをダウンロードしたソフトで「特別なDCCコントローラー無し」でDCC運転がスマートフォンのみで可能というので有ります。特別なデコーダーを搭載した(コスト的には通常DCCサウンドデコーダー並みの価格)もので可能になるのですが、考えてみるとこれはメルクリン社や他のデジタル関連メーカーに対する大きな挑戦であるかもしれません。とくに特有の世界を作って顧客を囲い込みシェアを保持しているメルクリンのACモデルには脅威に成り得ます。また世界的に普及著しいスマートフォンをPCのように使用した運転ソフトの出現により特別なコントローラーも不要になることでEcos CSなどの需要に影響を与えることは間違いありません。来年には市場に投入すると決定しており、まずはBR103で来年にはICEにも搭載するとのこと。数年後には運転方式はもちろんのことメーカーの勢力地図や顧客の購買基準が大きく変わることは間違いありません。






ハンブルクに巨大レイアウト出現の話(ベルリンはどうかな?編)2010/11
                                                           本店顧客 花谷好隆氏 記 


ベルリンの(巨)大レイアウト

「ベルリンにも大きなレイアウトがあるそうやで。」「それでは見てきましょう。」となりました。 丁度ハンブルク6泊の旅行を予定していたのとベルリン日帰りも計画していました。


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ハンブルクに巨大レイアウト出現の話(アイル・ビー・バック編)2006/2 


今や日本においてもビデオまで発売され興行的に成功している稀有な例としての「ミニチュア・ワンダーランド」に4年ぶりに行ってきました。
治安の良くないハンブルク中央駅からタクシーに乗って「ミナテュアヴンダーラント」というだけで直ぐに通じてしまうほどの超有名スポットになっています。水曜日の昼間というのに入場待ちこそ無かったものの場内はほぼ満員状態。

4年前と変わったところは、1ユーロの値上げ、スカンジナビア、アメリカなどのエリアが増え、規模がほぼ倍になったこと、2階層になったこと、若い従業員がものすごく増えたこと、物販コーナーがちょっとした模型店なみになって立派な食堂までできた事。当初からあるジオラマが少し古ぼけてきたこと。変わらないところは素晴らしい製作、運営技術とやっぱり棒を持ってあたふたと走り回るスタッフ。 相変わらず多い子供連れのお母さんと年寄り連中、ちらほらと目立つ若いデート中のカップル、それに万国共通のちょっと特異で個性的な行動をする鉄道マニア。(表現に苦心しております。   でもやっぱり突然ひとりごとを言ったり、一人笑いするのはやめてほしい)

それとやっぱりドイツ人というのは鉄道、鉄道模型が老若男女を問わず好きなんですね、たとえヨーロッパ第二の鉄道(模型)王国といっても良いスイスでさえこんな形のテーマパークは在りませんし、在っても規模、客数が比較にもなりません。 とにかくみんなニコニコわいわいと思いっきり楽しんでいる中を違和感の思いっきりある東洋人が頷きながら感心しながらため息つきながらの半日でした。


あいかわらずの混雑。



待ちくたびれたボクたち



水をかき分けて客船が進む。



すごい!これも自動車と同じコンピューター運転かと思ったらオッちゃんがラジコンで動かしてました。



ヨーロッパも大寒波。横を流れる川がごらんのとおりに凍っていました。



ハンブルクに巨大レイアウト出現の話(行ってきたぞ!編)2002/2


数々の業務用、個人用レイアウトを作り、また他人の作ったものを見てきた我々ですが、心底本当に魂消ました。これはスゴイ!日本からワザワザ行ってもおつりが来ます。
昨年行かれたお客さまが
「スゴイ!!!その一言に尽きる。あれ見たら日本の○○○○○館のレイアウトは二度と見れん」
とおっしゃってたのは真実でした。



港の倉庫街にあるビルの一画に有ります。

お一人様8ユーロと決して安くない入場料にも拘わらず約100人、1時間の入場待ち行列。(ここはプーさんのハニーハントかい!)
待ってる間に飲み物やキャンディーの無料サービスがありまして数分間に一回の演説(ハンブルク訛りのドイツ語ですので全く判りませんが結構ウケていました)などもあって退屈はしません。入場整理のオッチャンの話しで、
「どこから来た?日本?めずらしいね?どこで知った?フーン。何分並んだ?今日はまだましだよ。火曜の午後遅くなら並ばずに入れるよ」
さてエレベーターを使って入場です。
大きな部屋が4つありそれぞれに繋がった形になっています。面積544㎡ 建物3000棟 樹木50000本 人形30000体 自動車10000台 レール全長5km 機関車500台、客貨車7000台がコンピューター運転。との前広告は真実でした。よ~く作りこんであり、日本のジオラマに良く見られる、ちょっとここは手を抜いてつくったな?というところが1つも有りません。全ての場所に注意を払って作ってあります。


駅! 言わんでもわかる。



押すんじゃねえよバカ

ウチの子何処かしら

何よりも街灯や建物のライトが夜のシーンに切り替わると同時に「一斉に点くのでは無く、ぽつりポツリと点きはじめ」やがて真っ暗になると全部が点灯します。それに建物にライトを入れた経験の有る方ならお分かりでしょうが「ライトの灯が漏れて無い」のです。いかに気を使って作ったかが判ります。また引っ掛かって止まりやすいロープウエイやケーブルが数秒停止の後に動き出す荒業をこなしておりますし。
何よりもビックリしたのは「自動車」です。
「街の一画に火の手が上がります。何処からとも無く消防のサイレンの音が。すると四方八方から消防自動車やパトカーがサイレンを鳴らし、ライトを点滅させながら現場に集結致します。やがて鎮火と同時に集まっていた車たちが去って行きます。」
これだけのことをファーラーのカーシステムを使って表現しているのですが


真中に見えるのが疾走する消防車。現場は人垣で気の弱い日本人は近づけず。



カーシステムの消防車がカーソル点滅しているのにビックリ

なんでそんなことが出来るのか全く不明です。そりゃ理論的には出来るのでしょうけど、アンタお金あげるから作ってみな?と言われても業務用ともなれば、ちょっと尻ごみしてしまいます。よっぽどの頭脳集団なのでしょう。


でもやっぱり時々は「神の手」が必要

レールや車輌は大半がメルクリンでデジタル運転。一部はフライシュマンの線路や車輌を使用していました。
右手の部屋では増設部分を製作中。基盤や裏側の配線をしゃがみ込んで覗き込みシャッターを押している東洋人をスタッフたちは怪訝な目で見ておりました。


製作中のオッチャンたち 楽しそうでした。

ガラスなどの衝立は一切無く、触ろうと思えばすぐに手に届くところにあるにもかかわらず誰も触ろうとしないのには感心した。との前回のお客様のコメントでしたが、やはり公共心の強いドイツ人といっても、こんな目の前30cmのところにあるものを触るなと言う方がどだい無理な話でして、やっぱりよくよく見れば触ってママにこっぴどく叱られているガキや、お互いに触りっこしているカップルなどが居て、手前の人形がアサッテを向いていたり、樹木が傾いていたりもしました。
でもすごく良く毎日メンテナンスをされているのでしょう。ごみひとつ、塵一つ落ちておりませんでした。
再度申しあげます。ドイツへ行ったら絶対ここに行くべきです。損はしません。しても弁償しないけど。


ハンブルクに巨大レイアウト出現の話 2001/9


どなたかハンブルクに行かれませんか?「ミニチュアグンターランド」(http//www.miniatur-wunderland.de)と称する巨大レイアウトが8月16日に出来たそうです。
面積544㎡ 建物3000棟 樹木50000本 人形30000体 自動車10000台 レール全長5km 機関車500台、客貨車7000台がコンピューター運転。30人が40000時間かけて作った割には制作費は1億1千万円しかかかっていない。(他人事ですから、どうだって好いんです)
営業時間10時から6時(木曜は9時まで、週末は7時まで)無休、入場料15マルク 
住所はKehrwieder 2(フリーポート内)です 建物の4階でカフェもあり。TV取材などで一時は大騒ぎになったけどやっと落ち着いたとのこと。
う^^^ん、これだけ大きかったら面白いかも。ニュルンベルク交通博物館のレイアウトも見飽きたし次のツアーはこれかな?


おぬしも悪よのう(海外編その3)続編の話2001/8


鰐騒動の続編です。
今年7月の初めにまたチューリッヒ空港に鰐を持って入りました。
今回はたまたま冷やかしに入ったチューリッヒの骨董品専門模型店で、ちょうど売りにきた爺さんが持っていたHOメルクリンの古いやつを分けてもらったのです。なんでもここいらでは有名な爺さんで、気に入ったメルクリンは必ず同じものを3台購入し、1台は走り倒させ、1台はケースに飾り、最後の1台は買ってから油紙に箱ごと包んで倉庫に保存しておき後日新しいものを買うときに資金に困ったときに処分するとのこと。今回はインサイダーのアドラーを買う金にする為に”鰐”を売りにきた由。メルクリンサーティーフィフティーンとして有名なやつですがワタクシこんな完全な見事な保存状態のものを見たことが有りません。元箱がきれいな状態であることはあたりまえですが、機関車がテストランしか走ってないのです。思わず声が裏返って「こここ これくらはい!」
現金を引き出しに表通りの銀行にダッシュしてチューリッヒトラムに轢かれそうになりました。
前置きが長くなりましたが、そいつを大事に持って入ったんです。セキュリティチェックのX線にはまた見事に鰐のガイコツすがたが映っております。

「クロコディル」
またおばさんの係官が私にむかって微笑みかけます。
「えっ、まさか?おんなじオバサン?」
いやいやどうも違います、あのオバサンは赤毛だったもの。
前回のことで懲りて学習したワタクシはそそくさと鞄をひったくって搭乗口に急ぎました。しかしこっちはやっぱり鉄道に関する民度が高いんですね。日本の空港で
「EF65」

なんて絶対に言われそうにないもの。


おぬしも悪よのう(海外編その1)の話2001/6


海外旅行で、特にEU圏で買い物をした場合、店で支払った付加価値税などはEU圏外に出国する際にタックスリファンドと称する戻し税の手続きをしますが、この手続きに纏わる話には実体験やお客さまの話など枚挙に暇ありません。

あるお客さまの奥さまの話。空港で出発まで残り時間が少ないにも拘わらずタックスリファンド窓口が定時を過ぎても開かずイライラして待っていたら、窓口に書いてあった時刻を15分ほど過ぎてやっとのことで中年の女性がエッチラオッチラと席に付きました。その奥さまは先頭に並んでいたものですから、目を吊り上げながら買ったセーターと免税申告書類を窓口に叩きつけるようにおいたそうです。

すると窓口の女性はちらりとこちらを見ながら、なんとポットからお茶を出して悠々と飲み始めたではありませんか?!いい加減プチプチとキレ始めていた奥さまは、その時頭の中の回路が「ポンっ」と音をたてたのが聞こえたのだそうです。

奥さん

「まことに恐れいりますが、私の乗る予定の飛行機はもうすぐ出発いたします。手続きをしてもらえませんでしょうか?窓口オープン予定時刻を15分も過ぎておりますれば」

自分でも恐ろしくなるほどの猫なで声で窓口に首を突っ込んで言いました。

すると窓口の女性

「あなた! 見ればわかるでしょ! 私は今、仕事まえのお茶を飲んでるんだから。待っていなさい!!」

奥さまは、もし近いうちに日本と この国に戦争が起こったら私は一番に志願してこいつを殺しに来ようと心に誓ったそうです。


おぬしも悪よのう(海外編その2)の話2001/5


 最近はとんと行かなくなったフランクフルト空港の税関で、その昔、買った模型の免税手続きをしてもらおうと出国検査横の窓口に並んだときです。自分の番が来て買った模型とレシートを出すと係官が「これは何だ?」と聞きます。

ワタクシ「モデル アイゼンバーン」と覚えたての単語で誇らしげに言いました。

係官「鉄道模型は見りゃ判る、これは何の形式かと聞いているのだ」

ワ「へ?」

官「どうしてドイツへ来てニュルンベルクの○○模型店でハグのRe6/6を買うのか?」

なんでそんなに詳しいの?この兄ちゃん。

ワタクシは、どぎまぎしながら、チョット待てよ、オレって何か悪いことしたっけ?と自問自答。ドイツでスイス製のハグを買って日本へ持ちかえったらワシントン条約違反で禁固3年??!   「んなアホな!」

官「ドイツへ来たならドイツ製の模型を買いなさい。フライシュマンのRe4/4なんか性能は良いよ!メルクリンも私は好きである」

ハグのレシートの裏にペタリンコとスタンプを押して寄越しながら言ったものです。

けっ!偉そうな制服着てッけど、ただのマニアじゃん。

 


おぬしも悪よのう(海外編その3)の話2001/5


毎年2月のニュルンベルクのメッセには、ここ数年チューリッヒ経由で行くのが恒例となっております。

一昨年のこと、ロンバルディのOゲージSBB Ce6/8Ⅱを買っていただいたお客さまから、引越しの時、塗装にキズがついちゃった。治してくれ!との依頼を受けて、メッセでロンバルディ氏に渡すため、えっちらこと担いで行ったことがありました。精密なブラスモデルですから当然機内持ち込みのハンドラゲッジ扱いであります。

チューリッヒ空港のトランジットで再度セキュリティチェックを受けます。関空から着いたのが夕方でニュルンベルク行きは最終便となりますが、いつも乗客はパラパラと十数名。機材も双発プロペラのグライダーに毛の生えたような貧乏くさいヤツです。当然チェックの窓口も暇を持て余しております。

カートに大事そうに結わえ付けたOゲージ模型に係官の注目が集まります。X線の機械を通した画面には模型がくっきりと写りました。

係のおばさまに(ちょっとおばあさまが入っておりましたが)さあ説明しよっかなと思ったワタシに思いがけない言葉が

「クロコディル」

えっ?おばさん何で知ってんの?

「うちの主人がマニアでね、これをいっぱい持ってンのよ。でもこんなに大きいのは初めて見たわ!高いんでしょ?」

返答しようと思ったワタシは無駄だったことを思い知らされました。数人の暇を持て余した係官がそれこそ堰を切ったようにしゃべり始めたのです。「うちの主人もそうなのよ、裏のガレージの2階に大きなレイアウトを作って、邪魔ったらありゃしない。」「うちはね、部屋中溢れるほど模型を持っているから片付けてって言ってるのに、まだ隠れてこそこそと買って増やしているのよ、信じられない!!」あの すみません「うちは休みの日には朝から晩まで電車を走らせてるわ。よく飽きないこと」「うちなんかしょっちゅう模型屋から電話が掛かって来て、カードの決済日にはため息ついているわ」あの ちょっと すみません「うちはこないだの休みにどこか連れてって言ったら、なんと駅なのよ!写真うつすんだってバカみたい」あの・・「なんだ!鰐だって言うから来て見たら、ただのおもちゃじゃない」「おもちゃじゃないわよ高いのよこれ」「うっそ?いくらかしら?」

「ねえ、これって幾らくらいするものなの?」

最初に形式名を口にしたおばさまが皆を代表してワタクシに聞きます。気がつくとゲート中の搭乗予定者全員が固まってしまったワタクシを見ています。必死になってスイスフランの相場で換算して金額を計算しました。満場注目のなかで

「○○万ふらんデス」

しまった!!と思ったときは既に遅し。爆発物を運ぶように私にあわれな晒しものの鰐を手渡したオバサンは、呪いの言葉をご主人に!「私には安いものだと言ってたくせに、あのバカ亭主! ウチに帰ったらとっちめてやるわ!!」凍りついた周辺を後にそそくさと飛行機に乗り込むワタクシ。

まだ話は続きます。

クロスエアの狭い機内にはこの鰐を収納出来ません。足元にもスペースは無く、仕方なしに膝の上に置いておりました、乗り込む乗客の何人かは私にウインクしながら奥へ進んでいきます。

「ムッシュ? そのお荷物お預かりします」フランス娘のCAが話しかけてきます。

このままだったら本も読めないワタクシはちょっとためらったあと

「ありがと。 でもこれ壊れ易いから気を付けてね」

「地上係員から連絡を受けております。○○万ふらんもする、鰐をもった乗客が居られるので注意するようにって? でも生きてるんですか?これ」


わたしが鰐っす


おぬしも悪よのう の話 2001/4


直取引輸入ディーラーである関係上、品物はほとんどがエアフレイト(航空貨物)にてやってまいります。本店が芦屋ですので貨物は関西空港の税関経由であります。昔は輸入鉄道模型の認知度が低かったせいもあって何回か通関でややこしいことになったことがありました。

アメリカのウォルサーと言う問屋さんから荷物が来た時には、書類上に

トンネルポータル10個、橋20個、針葉樹200ケース

などと書いてあったため通関業者が大騒ぎ?!「植物検疫だっ! いやまず建設省の橋梁関係の許認可が先だっ!」

そんなことはツユ知らず、確認のため通関業者の保税倉庫へTシャツ、サンダル履きでフラフラと現れたワタクシは「あんた、なんちゅう大層なものを気軽に輸入してくれるんです?!!」と担当者に詰め寄られました。

へ?一体なんのこと?

書類上にミニチュアの文字が無かったための誤解と直ぐにはわかったのですが、それにしても「橋20個がどうしてダンボールの箱で来るんかい!針葉樹200ケースがなんで100kgしか無いネン!」とハゲシク胸のなかで担当者にツッコんだものです。でもお堅い通関業者や税関には書類上の記載がすべての根拠となる為に・・・・・・・・・・・・。

 お堅いと言えば、Oゲージのオリエント急行客車を輸入した際のことですが、客車の室内搭載用として、いっしょに人形もくっ付いて来ました。普通の人形なら問題は無かったのですが、これが寝台車用の人形で、スイスのフルグレックス社が精魂込めて作ったジンク製の精巧極まる逸品

そうです寝台車と云われてお分かりですね、ご婦人の仰臥スタイルなのです。しかも・・・・・・・・・・・?!。また、よしゃあ良いのにご丁寧に写実主義で・・・・・・・・、通関業者の提出したカタログもそこを大アップ?!

当然のお呼び出しに、今度はちゃんとした服装で汗を拭きながら現れたワタクシにまた担当者は「あんた。なんのご商売?

結局は5cm足らずの悩ましいポーズの人形を手に税関へお目通りを願い、苦笑しながらOKを出した担当官に感謝しながら入手いたしました。

その後は当社の名前もちゃんと周知され、ここ十年以上はトラブルも無く、その後行われる税関立ち入り検査も無事パスしております。拳銃や白い粉など不法有害物の流入を防ぐ税関は我々の安全を守る尊い仕事をされています。くれぐれもややこしいものを輸入して迷惑をかけないように!?それに抜け荷は天下のご法度でござりまする。きちんと関税、消費税、地方税を払って国民の義務を果たしましょう。


鉄道模型マニア気質の話(ドイツ人の場合)東京店店長 上田 登 記2001/3


何年も店を営業しておりますと、老若男女、国籍問わずさまざまなお客様がお見えになります。これからご紹介させていただく方は、当店の常連になってしまったドイツ人、L氏のお話です。残念ながら昨年帰国されてしまいましたが、本場ドイツでの鉄道模型マニアの行状を知る上でも大変貴重な存在でした。

 

L氏は、某ドイツ系企業の日本駐在員。御年40過ぎの紳士です。どことなくオノ ヨーコさんの雰囲気が漂う日本人の奥方と愛娘モニカちゃんとの3人暮らし。6年ほど前から月12度、散歩がてらご来店になられていました。大抵は、モニカちゃんの手を引いてのご来店でしたが、何度か奥方も伴って遊びに来られたこともありました。

午前中に自宅近くの教会へ足を運び、当店近所にあるドイツパンの店でサンドイッチを買って公園でお昼を済ませた後に来店。陳列された模型を12時間眺め、コイン式のレイアウト上の列車を走らせ、貨車か客車を12両購入して帰るというのがL氏の休日の過ごし方でした。

時折、ご来店された当日夕方に電話を戴くことがありました。用件は「機関車の取り置き依頼」でした。「翌月曜日の6時過ぎにお金を持って行くから○○をキープしておいてください…」という内容でしたが、そんな面倒なことをしなくても日曜日に貨車や客車と一緒に購入すればいいんじゃないんですか?と尋ねたことがありました。すると、「ドイツの諺に、『ウチは安物を買うほど金持ちではない』というのがある。つまり、衝動的にモノを買うことを戒めた言い伝えなのだが、1万円程度以上の買い物は『必ず一度下見をして一旦帰宅してから購入するかどうかを決める』のがドイツ人の常識なのだ…。」と、さんざん講釈を並べた後、小声で「ワイフの目の前で3万円もするオモチャを買うわけにはいかないのだヨ。」とウィンクしながら微笑って帰って行きました。どうやら、後の方が本音のようであります。

ショーケース内の車両の陳列について「警告」を受けたこともありました。

「44SLは貨物専用機なのに旅客列車の前に陳列してあるじゃないか!あちらの貨物列車の先頭に陳列してある客貨両用機50SLと即刻入れ替えなさいっ!」

 

L氏は、メルヘン街道沿いのカッセルで生まれ育ちました。お父さんがメルクリンとLGB愛好家だったこともあって、幼い頃から鉄道模型に親しみながら育ったとのこと。

就職してからはボンに居を構え、ここでは地元の鉄道模型愛好クラブに所属されていました。年に何度か運転会が催されるのですが、中でも最も盛大なのが「クリスマス運転会」。奥様方が手作りのケーキを持寄って、大運転パーティーが繰り広げられるそうです。

ところで、「奥様方も運転会で一緒に遊んでいらっしゃるとは何とうらやましいことか…」などと勘違いしないで下さい。彼女達は別室で紅茶とケーキに舌鼓を打ちながら「ウチの亭主の模型キチガイぶりといったらこんなにひどいのよ…」「何いってんの。ウチの亭主に比べりゃまだマシだわ。ウチの亭主なんて…」というような会話に興じていらっしゃるという話ですので悪しからず…。

 

駐在員の任期は5年。L氏も東京勤務を終え、ドイツに帰国する日がやってきました。帰国直前、奥方・モニカちゃんを伴って挨拶に来られました。

かた~い別れの握手を交した後、私は、以前からL氏に抱いていた疑問をぶつけることにしました。

それは、「なぜドイツの小売店との通信販売を利用せずに、わざわざ割高な日本価格で買い物をするのか?」ということでした。同僚の駐在員にも何人も鉄道模型愛好家がいらっしゃることをL氏から直接伺っていましたし、彼らは欲しいものがあれば、ドイツの小売店に通販でオーダーしているという話でした。もちろん、当店には一度も顔を見せたことがありません。そのことは決して不満に思っているわけではなく、そちらの方がむしろ自然だと思うのです。

すると、いつも英語で直接私に話しかけてくるL氏が、珍しく母国のドイツ語で奥方を通訳につけて語り出しました。

「確かに、フライッシュマンやロコのドイツでの価格は充分承知しているし、もし目指す車両しか欲しいモノが無ければ、私はきっとその方法(通販)を採っただろう。しかし、それだと購入したものしか見ることができないのだから、実に味気ない。

私は欲張りなのも知れないが、鉄道模型ならば『何でも欲しい』『全部欲しい』のだ。この店(モデルバーン)に来ると、陳列してある大量の鉄道模型を全部手に入れる夢を見ることができる。退職後、カッセルの自宅の庭に鉄道模型専用の小屋を建てて、鉄道模型三昧の余生を過ごしている自分がイメージできるわけだ。そういった至福の時間を過ごすために何度も通ったのだ。

私が、これまでこの店で購入したモノは、入手することを『目的』にしていた車両ではなく、その時の懐具合などの諸条件による『結果』にしか過ぎなかったのだ。『私が夢を見て楽しむことができた』という付加価値は、ドイツとの価格差などとは比較にならないほど大きいものだったのだ…。」

L氏が帰国されてから1年の月日が流れました。彼は今、何処の模型店で夢を見ていらっしゃるのでしょう?また、数十年後、めでたくリタイアされてからは、どのようなホビーライフを実現されるのでしょうか?

機会あれば是非拝見したいものです。


ヨーロッパ鉄道模型紀行2001の話 2001/3


ヨーロッパ鉄道模型紀行2001の総日程11日間に及ぶ欧州旅行の顛末であります。(東京店店長 上田 記 木村補記)

今年のドイツの気候は、2月の最初こそ雪がシンシンと降っていたものの、3日過ぎからは春を思わせるようなポカポカ陽気でした。

今回の参加人数は19名モデルバーンスタッフを含めると総勢22名。うち、ご夫婦でご参加下さった方が3組。また、今回は添乗員さんも女性ということで、例年になく華やいだ雰囲気になりました。

 

24()

関空よりフランクフルト経由でシュトゥットガルト到着

 

シュトゥットガルトの「ホテル マリティム」で中原・上田が、ニュルンベルクの滞在先よりツアー一行と合流。関空での搭乗時より10数時間の長旅でしたが、西山さん(添乗員)の粋な計らいで、フランクフルトで飛行機の乗り継ぎ時間を利用してフランクフルト中央駅を見学出来たりして、まずは皆さんご満悦の様子で到着です。

ホテルは、このツアーでは珍しくピアノバーやサウナ・それにプールまでついているという豪華版。

JTBさんもお客様のためによかれと思って奮発したのでしょうが、鉄道に乗って鉄道模型店に行くことだけが目的の参加者には全く無用の長物であります。

おそらくこのような施設には誰も何の興味もないことでしょうし、「早朝出発、深夜帰着」が原則のこのツアーに参加していては利用しているヒマもありません。

部屋のカギを受け取った後、皆さんそそくさと自室に引き上げていきました。

(木村 補記:上田店長はこう言っておりますが、実は中原店長と二人でこの豪華ホテルのプールとサウナとバーを満喫しました。中原などはホテルの売店で水着を買ってまでこれらを楽しんでおりました。サウナで「あ”~~~」と言った後バーで一杯やりながら皆様のお帰りを待っておりました。上田店長ゴメン)

 

25()

IRでニュルンベルク往復

 

ニュルンベルクに向かいます。

最多参加回数を誇る愛知のDさんなどは、非常にリラックスされておりますが、初参加の方々はいささか緊張気味。

2時間少々でニュルンベルク到着。

まず、市内を散策ののち行き付けのドイツ料理店で昼食会。ラムやポーク・チキンなどのステーキや川鱒の揚げ物などボリュームたっぷりの料理を目の前にして、皆さんいささか持て余し気味。気を遣ったボーイさんが、銘々の小皿に取り分けてくれます。

25歳だが実際には小柄なせいかもっと若く見える「彼(前回参加してて一躍ツアーのアイドルにのしあがったOさんのことです)」には「君はもっと大きくならなきゃいけないんだからどんどん食べなさいっ!!」と、ひと際大きく盛ってくれます。

向かいにあるこれまた行き付けのカフェで、巨大なケーキをデザートに食した後、腹ごなしを兼ねて模型店と交通博物館巡りという当ツアーの定番コースに出かけます。

Dさんは、狙っていた限定品がゲット出来て至極満足そう。博物館では、名古屋のEさんが20種類あるICESLのピンバッジを全種類注文。係員が眼を白黒させながら会計をするという、当ツアーお馴染みの光景を見ることが出来ました。

(その昔、氷河急行の1等パノラマ車をわがツアーで独占していた際、移動してきたワゴン販売カートが空っぽになり次の停車駅で降りて帰ってしまったことがありました。あるヒトは例の傾いたグラスを「あるだけ寄越せ!」と言い、また他のヒトはFO腕時計を買い占めてアメックスのゴールドカードで払っておりました。でもこんなことは今は昔。最近はめっきり少なくなっていたんですが.........。)

帰りは、当ツアー宴会部長Gさんの独演会で退屈することなくシュトゥットガルトへ。

 

26()

ICE-Tでチューリッヒ往復

 

スイスのチューリッヒ行きのICE-Tは、JTBさんのおかげで運転席直後の展望席が確保できました。とはいっても、3席しかありませんので、確率は22分の3となります。

席の割振りの方法は色々考えられますが、迷わず「先着順による争奪戦」と決定致しました。

「みんなICTの展望席に乗りたいか!!」「お~~~!」通勤ラッシュのシュトゥットガルト中央駅地下で日本人ツアー客の雄叫びが上がります。

何事かと目を丸くするドイツ人を尻目に壮絶な競り合いの結果、東京のMさんと愛知のRさんご夫妻がめでたくゲット。

東京のMさんは、このツアーきっての欧州鉄道事情通。前方を通り過ぎる信号の意味などを解説して下さいます。スイスとの国境であるシャフハウゼン手前のトンネルを通り抜けた時、「ここからがSBBですよ」と知らせてくれます。「どうしてわかるの?」と誰かが尋ねると「架線柱と架線がDB様式からSBB様式に変わったから…」とのこと。室内にどよめきの声が響き渡ります。

前回、チザルピーノで車酔いを経験した「彼」は、予想通り振子式ICE-Tの車内でも真っ青な顔をしています。「また酔ってるネ。」と誰かにからかわれると、「歴史は繰り返すものなのだ…」との答えに車内は大爆笑。

他人が車酔いで苦しんでいるというのに、面白がるだけで誰も介抱しようしないところが当ツアーの特徴でもあります。心配そうなお顔をされていたのは西山さん(添乗員)だけでした。

そうこうするうちに、名所「ラインの小滝」を通り過ぎ、10:50定刻にチューリッヒ到着です。

下車完了後、西山さん(添乗員)から召集がかかります。「それではチューリッヒに到着しましたのでここで解散と致します…」「おいおい、解散って言ったってまだチューリッヒのどこも案内してもらってないゾ…」と途惑う初参加組を尻目に、「それじゃぁ」とか「お先に」とかいって一人・また一人と櫛の歯が欠けるようにリピーター組が去っていきました。

(その昔、添乗員さん他のミスで早朝出発のグループに寝坊して遅れてしまった初参加のヒトは途方にくれてホテルのロビーに突っ立っていると、通りかかったツアーの他のメンバーに

「どうしたの?」「あっそ!みんなそうやって経験を積んでこのツアーのリピーターになって行くんだよ、んじゃ頑張って!お先にぃ」と真に暖かい励ましを受けたそうです。)

取り残されたメンバーは、チューリッヒ市内模型店巡りの木村・中原班と、ルツェルン交通博物館見学の西山さん(添乗員)・上田班に分かれて行動。

木村・中原班はチューリッヒおきまりの定番行動。市電の1日乗車券を購入し、まずはフランツカールウエーバーの3階へ。「あれ?えらく売り場がちっちゃくなってる」

白と青の市電にまた乗って、こんどは昼食に中華料理店へ。「いったいここは都合何回来ただろう?」全員リピーターの木村・中原班のメンバーが感慨深げにメニューとにらめっこ。大満足の昼食を終えこんどはアイゼンバーンセンターへ。チューリッヒ湖畔ではみんな日光浴中。あんまり成果がなかったものでがっかりしましたが、とりあえずカフェでお茶を。

スイス人になりきった気持ちで話がはずみ、気が付けば「あれ!もうこんな時間だっ」あわてて11番電車に飛び乗ってワブへ。

タイムキーパーがあと3分!と叫ぶ声をききながら大慌てで欲しいものを入手して中央駅へ向かいます。予約してあったチザルピーノに間に合ってヤレヤレ。

ルツェルン班はIC2000の新型2階建て客車で出発。風光明媚な車窓を楽しむこと約45分。駅からはトロリーバスで約10分揺られると交通博物館です。

ここには、「ヒストリックロコ」と呼ばれる歴代の名機が数十台動態保存され、スイス型ファンにとってはまさしく桃源郷であります。名古屋のTさんは、保存機のHO模型の殆どを所有されているそうで、一台一台丁寧に三脚を立てて夢見心地で撮影に興じています。

ゴッタルド峠を模した大レイアウトの模型運転会を堪能ののち、ルツェルン市内の模型店を冷やかして帰路につきます。

チューリッヒからは、またまたICE-T。 と次の停車駅で窓の外を見ていると東京のMさんがニコニコと笑みを浮かべてホームを歩いているでは!「お~い、どこいくの?こんな時間から?」なんとまた一旦チューリッヒに戻り別の列車を撮影したりして戻るとのこと。「さすがマニア!」と自分のことを棚に上げた全員が感心。

(その昔、関西空港が出来て”はるか”や”ラピート”が開通し大騒ぎになっていたセレモニーの日にテレビニュースに出ていた男性。空港内でのインタビューで

「今日のご感想は?」「いや~マニアの人がいっぱいで困りました。」

「きょうのご旅行は海外ですか?」「いや東京から”はるか”に乗るために来ました、このあとラピートで帰ります」

このニュースを見ていた日本国民の何人が右手を手前から向こうに動かして「おまえがマニアじゃ!!」とツッこんだことでしょう?)

今度のICE-Tは展望席の争奪戦もなく「彼」が特等席にありつきました。帰りの「彼」は車酔いすることもなく上機嫌。列車がシュトゥットガルト駅構内にさしかかった途端、突然「場内進行3番線!!」と指差確認をはじめます。しかし、実際に入線したのは7番線。「確かに3と表示が出ていたんですが…」と、周囲の冷ややかな視線に頭を掻く「彼」でした。(あんたの運転するものには乗りたくない!)

 

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シュトゥットガルトからケルンへ移動

 

旅の後半は、ベンツの街シュトゥットガルトから大聖堂で有名なケルンへと拠点を移します。

いささか古典化したインターシティーの1等車に乗り込んでシュトゥットガルトを出発。古都ハイデルベルクを通り、マインツでライン川の鉄橋を渡るといよいよ列車でのライン川クルーズの始まりです。

時間的にもちょうどお昼時。西山さん(添乗員)が、食堂車の席が空くたびに案内して下さいます。彼女が汗だくになりながら努力してくれたおかげで、ほぼ全員がローレライを眺めながらの昼食を満喫することが出来ました。

大聖堂が列車前方右手に見え隠れするともうケルンです。あっという間の3時間20分でした。

列車の中で退屈するかどうかは、車中の過ごし方と車窓の風景が大きく作用することを改めて感じた次第です。ケルン中央駅で各自荷物をロッカーに預けてアーヘンの模型店へ向かいます。

 

アーヘン往復

 

「アーヘンってどこに有るン?」「聞いたことアーヘン!!?」

などと冗談が飛び交いつつ、2階建てのピカピカの赤い客車は平原を快調に飛ばします。ツアーも半ばに差し掛かったところでだいぶ盛り上がってまいりました。

(今回のツアー大賞はこの愛知のRさんご夫妻の奥さまのヒトコトに後日決定いたしました。ご夫妻は日常同じ場所でお仕事をされておられるのですが、日夜ツッこみ養成ギプスをはめてギーコ、ギーコと研鑚されている由。日頃の修行の賜物とご主人は受賞の喜びを語っておられました。)

ところで、このアーヘンという余り耳にしないこの街には、ドイツ最大級の鉄道模型店があります。在庫量が桁違いに豊富なことに加え、ドイツ南部ではあまり見かけることのないベルギーやフランスのモデルが飾ってあったりして、違った雰囲気を楽しむことが出来ます。

駅から徒歩約10分のこの店まで、どのルートを歩こうか?などと思案を巡らせながらホームに下りますと、一行が一斉に同じ方向へ駆け出して行きます。何事か?と私も駆け出してみますと、残り少なくなったTEE色の103形電機がホームの端に停車していました。

最初は手前の111形電気の奥に隠れるように止まっていたのですが、多くのヤパーナーがカメラを向けるものですから、DB職員の方が撮影しやすい場所に移動させてくれました。

ファンの心理を良く理解して下さる職員に頭の下がる思いであります。しかし極東の異邦人が大挙してドイツの機関車を写しているのを見る運転手の心理も?!

現場の方がこれだけファンに協力的なのですから、我々も働く人たちが嫌がることをしてはいけません。

典型的なドイツの街並が続くアーヘン市内を通って目指す模型店に到着し、皆さん目指すものを物色。それぞれに収穫があった様子が伺えました。

 

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メトロポリタンでハンブルク往復

 

メトロポリタンとは、ICEネットワークから外れたハンブルクとルール地方の間に、航空機に対抗するべく全く新しいタイプの高速列車として計画された列車です。運行はDBの子会社として設立されたMetropolitan Train Express GmbHが担当。14往復がケルン中央駅-ハンブルク中央駅間で運転されています。

早朝617分、眠い目をこすりながら乗り込んだ23名の日本人を乗せた列車は一路ハンブルクへ北上します。途中デュッセルドルフとエッセンに停車し、朝食のミールサービスが始まります。内容は航空機のビジネスクラスかそれ以上のもの。東京のMさんは、コーヒーカップの同社のロゴに眼が吸い寄せられている様子。このカップは希望者には販売しているらしく、Mさんが早速購入しておられました。体全体を包み込まれるような大型の座席で揺られること3時間半でハンブルク中央駅到着。ここからSバーンでアイデルシュタット機関区に向かいます。

 

ハンブルク・アイデルシュタット機関区見学

 

ツアーを企画した9月の段階では、103形電機がアイデルシュタット機関区に集中配置されており、まもなく終焉を迎える彼女らの姿を間近に見つめようという主旨で当機関区を訪問する手配をお願いしたのですが、何と11月に全機フランクフルトに転属してしまうという予想外の事態になってしまいました。しかし、無理を言って交渉に臨んで下さった方々にいまさらやめるともいえず、予定通り見学することとなりました。

陽気な守衛のオジさんに案内されて会議室とおぼしき部屋に通されると、係の方がきれいな英語で説明をはじめました。前情報では英語の出来る人が皆無と聞いていたので、どうなることかと心配しておりましたが、ひとまず安心。まずICEの主に整備に関するビデオの放映を観てから隣接するICEの整備工場に案内されます。駅ではまず見かけることのない床下機器や正面カバーの内側などをご披露いただき、「何だかスカートの中をのぞき込んでいる気分になるネ」などという感想を洩らしながら、一人一人運転席に座っての記念撮影会です。

次に、扇形庫に案内されます。スイスに端を発した広告入りの電機は、今やドイツまで蔓延し、様々な模様入りの101形電機が並んでいます。機械油の匂いが充満する庫内には、ICEの工場とは異なる昔ながらの雰囲気がありました。最後に屋外ターンテーブル脇の101形電機の前で全員の集合写真撮影。

これを以って、今年のツアーのハイライト、機関区訪問は終了。ツアー一行から暖かい拍手を浴びせられた係の方はちょっぴりテレ気味。

帰路は、モデルバーン店長率いるブッパータール模型店訪問チームと、西山さん(添乗員)率いるブレーメン市内観光チームに分かれて行動です。ブッパータールは、世界最古のモノレール(懸垂式)が存在する街。「絶対に一人では行かないであろう街を歩ける。それがこのツアーの楽しみなのです…」宴会部長のGさんが、珍しく神妙な面持ちでおっしゃったのが印象的でした。


写真:池口英司

(撮影者とあとお二人が写っていません、添乗員さんは後列右から2人目。101型機関車を背にして左の線路から外へ出るなと怒られながらの撮影)

 

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ICE2でベルリン往復

 

早いものでもう最終日がやって来ました。木村は都合により一日早く本日帰国です。

これだけ毎年渡欧している我々ですが、不思議とICEに乗車する機会はあっても、ICE2への乗車チャンスには恵まれませんでした。そこで、この機会にケルンからベルリンまでICE2に乗車し、併せてご自慢の2編成分割併合をこの眼で観ようと、ケルン8:21発ベルリン行きICE2の車中の人となりました。

車内はICEに比べると誠に簡素。800km以上の長距離を走破するICEに対してICE2はせいぜい400500km程度の運用距離ですから無理も無いところなのでしょうが、いささかの失望感は否めません。しかしながら、車内に「只今の速度」なる液晶表示が設置され、楽しみが一つ増えました。ハムでデュッセルドルフ発の編成と併結し、ハノーファーから高速新線に入ります。車内の速度表示はずっと250km/h。ドイツ東部の平原をブッ飛ばし、ベルリン・ツォー駅に到着しました。

 

ここで、東京のKさんが団長を努める「ベルリン模型店5軒早回りツアー」と「模型店はそこそこに観光もするツアー」に分かれて行動です。

後者はまず、KaDeWeなる百貨店の模型コーナーを覗き、併せてベルリンのお土産も物色します。「東京バナナならぬベルリンバナナはないのか?」とか「何を買って良いか分からないなぁ」「ならばマカダミアンナッツでも買っておけ!!」などという会話が聞える中、浜松のWさんが私と眼が合った途端黙り込みます。「どうしました?」と尋ねると「下手なことをいうと、モデルバーンのHPに発表されてお笑いのネタになるから黙っていようと思って…」

百貨店を出て、観光バスならぬ路線バスに乗り(これもこのツアーの特徴)ブランデンブルク門に向かいます。門は改装中で幕が掛かっており少々残念。「来年またこのツアーで来ればいいじゃないですか…」「何でも来年は噂によるとICE3に乗ってマドローダムへ行こうらしいね?」「20022318時フランクフルト空港集合だって?」…

えっ?もう来年の話?

それはともかく、ベルリンの目抜き通り、ウンター・デン・リンデン通りを小雨降る中を散策します。

5年前にやって来た時には、それこそ瓦礫の山でしたが、復興もずいぶん進み、ドイツの首都の中心部としてふさわしい景観を備えつつあります。

東西ドイツ統一運動の中心地、アレキサンダー広場に着いた時にはもう薄暗くなりかけていました。

 

ケルンのホテルに戻り、「ベルリン模型店5軒早回りツアー」一行の帰りを待ちます。

夜更けの1150分、顔を紅潮させたKさんを先頭に無事ホテル到着。Kさんの収穫は、前から熱望していたモデルロコ製DRG時代のSL完成品2種。満面に笑みを浮かべて皆に披露するその姿は、私達に対して「このツアーを企画して良かった」と感じさせてくれる、最高のご褒美でありました。

(その昔、最初にこれを企画した時から何回となく、何でワザワザ他所の店で買わせて損するようなことをやるの?とか年配の方からは「そんな買出し旅行などと下品な!」などとご意見をいただく悪名の高いツアーでありますが。

二回以上参加されるリピート率の非常に高いツアーでもあります。

最初のころこそ皆様をご案内した模型店では殺到した我がツアー客に店主が感激して私にリベートをこっそり渡してくれたりもしました。(誤解されたら困るんですが、こっそり大事そうに紙箱をくれるんで、これはなにが入ってるんだろう!と楽しみに店の隅っこで開けてみると、なんと店主のオヤジとその奥方のプリクラ!と販促品のメモ用紙!、即ゴミ箱行きでした。今回のアーヘンの模型店でも皆さんあまり買い物もせずに店をでてウインドーを見ていると、中から店員がメルクリンの袋に入ったマッチを大量に持ってきてくれたりしました。)

しかしながら年々皆様の買う量が減ってまいりまして、近年は1つも買わないとか機関車1台だけなんて方が多くなってきました。このためせっかく取っておきの模型店にお連れして入ってもらっても、皆さん手ぶらで出てくることがざらになってきました。

やはり輸入品の内外価格差が小さくなってきて「重たいかさばる荷物を持って帰ったって得するのはこれだけ?」とのことらしいのです。しかし趣味を同じくする親しいもの同士で異国の本場の店に入ってあれこれ品定めをするのは楽しいものです。ミラノのプラダ本店に群がる若い女性を笑えません。”楽しいものは楽しい!文句あるか?”彼女たちも最近は価格よりも、”ここでしか売ってない、日本では手に入らない”のためにアリタリアやKLMに乗ってくるのです。「えっ! うそ! それ有ったの?」「あそこの店はどうだった?」プロの我々スタッフも素人になりきって皆さんと一緒に誉めたり貶したり。

このツアーの最大の魅力は”同じ趣味を持った人との鉄道三昧旅行”、”人付き合いが嫌いな方にはうってつけの個人尊重旅行”であります。次回が有るかどうかは定かではありませんが、万一あれば、どうぞご参加をご検討ください。)

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